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囲碁が強くなりたい(`・ω・´)

東洋囲碁8~9段、幽玄の間8段で打っています。囲碁の上達法や棋書の書評等をメインに書いていくブログです。

「現在布石の最前線」~布石の歴史とシステム布石の解説

棋書 棋書-システム布石

システム布石を広く浅く解説

こんにちは(´・ω・`)

今回紹介するのは河出書房新社出版、小林 覚 著

現在布石の最前線です。

現在の布石は、三連星・中国流・道策流(ミニ中)のように体系化布石・システム布石として全局的定石のように研究がされています。

これらの分野は感覚や読みではなく、知識力が問われます。どのように運用され、あるいは妨害されるかを知っているかいないかで一局の命運を分けることも珍しくありません。

布石の歴史

また布石にも歴史があります。本書のはしがきより、

布石の変革は時代と無関係でありません。「互先置き石制」の廃止は遣唐使の廃止とつながり、本因坊道策の全局的布石は元禄、本因坊秀策の系統的な布石は幕末と深く関係しているでしょう。「新布石」は統制主義への反発と見ていいし、コミもまた平和の産物として、芸から勝負への囲碁の競技化に関連しています。現在のシステム布石全盛期時代を、後人はどう解釈するでしょうか。

本書が出版されたのは1999年。

2017年現在では、AIによる囲碁の革命がおきており、当然布石も劇的に変化している真っ最中ですね。まさに囲碁・布石に歴史ありです。

本の内容

本書の構成は

第1章:布石の変遷

第2章:ワリウチの研究

第3章:現在の布石

となっており、第1章では、布石の変遷を大急ぎで紹介し、第2章ではシステム布石の「ワリウチ」部分の研究を現段階で紹介。第3章では現在布石を代表する数人の棋士から、システム布石の生きた実例を解説しています。

問題図

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↑第2章のワリウチの話です。白8までよくある布石ですね。

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↑続いて黒は発展性の高い下辺から詰めるのが普通の発想です。白は2もしくはaと受けるくらい。次に黒からb,dと受ける手やcと打ちこむ形が詳細に説明されています。

時代のせいか、小ゲイマ受けはなかったです。

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↑これも毎度おなじみの布石です。今でこそ白6はあまり打たれなくなりましたが、一昔までは絶対の一手でした。

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↑ミニ中国流(道策流)で白8のワリウチは今でもかなりの割合で打たれています。

2017年現在まで、ミニ中のワリウチ後の変化は次々と新型が出てきています。当然ですが1999年出版の本書では、初期の型についてのみ書かれています。

少し特殊な布石本

一般に出ているシステム布石の棋書は、例えば「三連星」や「中国流」などに絞って詳しく解説しているタイプが多いのですが、本書では布石の歴史について触れた後、「ワリウチ」という分野に絞っているという特殊なパターンです。

また少し古い棋書ですので、現在の結論・見解とは異なっている事もあります。

即戦力かどうかで言えば最新の棋書に比べて劣るかもしれませんが、「布石」という分野に対してより深く理解する事ができる一冊と言えるでしょう。

評価B( ˘ω˘ )

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「詰碁の神様 前田陳爾 傑作集1」~ひねりの利いた詰碁だらけ

棋書 棋書-詰碁・死活

評判の高い前田詰碁

こんにちは(´・ω・`)

今回紹介するのは平凡社出版、前田陳爾 著

詰碁の神様 前田陳爾 傑作集1です。

昔は高かった

この本に出合ったのは、私が高校生になって間もない時でした。ネットで評判が高いのをみてヤフオクで購入したのですが、当時なかなかのプレミアがついていて定価700円の本書は8000円前後が相場でした。高校生のお小遣いでは結構な出費でしたね(笑)

現在では値段はだいぶ落ち着いているみたいです。

前田先生の詰碁は「形がシンプルで筋が新しい」という感じで、個人的には取り掛かりやすくてお気に入りです。 

基本詰碁を一通りマスターした人には前田詰碁をおススメしています(^^)v

本書は編集者が、すでに故人となった前田先生の詰碁の中から、傑作としてふさわしいものを選択してまとめたものになります。

地味に表紙が前田先生の顏のドアップなのがじわります( ^ω^ )

本の内容

第1章:楽しい詰碁

1:三手の詰碁

2:ひねりの利いた詰碁

3:手品のような詰碁

第2章:置碁検討録

・さむらいのお手並

・「御用」寸前

・碁の本味

となっております。

置碁検討録とは、雑誌「囲碁」に昭和26年9月号から、前田九段の亡くなられるまで実に25年もの間連載された講座らしいです。

これも前田節が炸裂していて面白い内容です。

問題図

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↑黒先白死です。白は黒2子を取って生きているように見えますが、ダメが詰まっているので手が生じています。

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↑黒1とハネても白2と受けられ何事も起きません。

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↑黒1が急所です!この一手によって白は打ちようがなくなりました。白2と一番紛らわしく打っても、黒3となり部分的にセキですが、全体ではセキ崩れで白は死んでしまいました。

手筋に明るくなる

上記の問題のように、シンプルな形ですがしっかりと手筋が潜んでいます。

何度も解くことによって、手筋に明るくなる事間違いなしでしょう(´ω`)

レベルもそこまで難しくないので、これを購入した当時の私の棋力は幽玄5,6段程度でしたがサクサク取り組めました。たぶん3段以上あれば十分かと思います。

評価S(`・ω・´)

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「囲碁とっておきの話」~囲碁界の秘話・面白話が楽しめる

棋書 棋書-読み物

囲碁界の秘話・面白話

こんにちは(´・ω・`)

今回紹介するのは、文春文庫出版、秋山賢治司 著

囲碁とっておきの話です。

行きつけの碁会所で、ふとこの本に目が止まり貸してもらって読んだところ、とても面白かったので紹介します(^^)v

囲碁界は盤上だけでなく盤外にも話題が豊富です。

変人が多いからですかね(笑)

囲碁を打つ人は変人が多い?? 

本の内容

本書の構成は

Ⅰ対局すると何かが起こる

Ⅱ碁盤をはさんで棋士がいる

Ⅲ碁界あれこれ

となります

本書は囲碁界で起きた秘話・面白話を集めたものになります。

碁界の名ライバル

例えばライバル関係についての話。プロの「木谷実呉清源」、「藤沢秀行坂田栄男」や「小林光一武宮正樹」、「趙治勲小林光一」、「大竹英雄林海峰」などからアマ4強の「菊池康郎・村上文祥」などの組み合わせがありました。

同じライバルでも、盤を離れれば仲がいい関係や、盤外でもウマが合わない関係と様々です。

小林光一先生と武宮先生のあるタイトル戦での局後の検討の話です。白番の小林先生が勝ちました。

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↑武宮先生はこの局面を「ここでは(黒が)全然いいでしょう」といいますが、次に小林先生がどっちが?と返しました|д゚)

黒が断然いいという武宮先生にこの切り替えし。当時のプロの評価では黒よしで、小林先生も白がややつらいと感じてたはずらしいですが、意地があったみたいです。

武宮先生は「え」と驚き瞬間的に顔が真っ赤になり、石を片付けた。そしてひとこと。

不愉快だ

わずか一分の最短の検討だったらしいです。

この後小林先生は名人・棋聖と立て続けにビックタイトルをとりますが、武宮先生は「あんな碁が名人・棋聖というのはおかしい」と公言してはばからなかったとかなんとか(笑)

若いものとは鍛え方が違う

もう一つ私の印象に残った話を。アマ4強(菊池康郎さん、平田博則さん、村上文祥さん、原田実さん)が30年以上アマタイトルをたらい回しにしてた時の話です。

下の世代から三浦浩さん、中園清三さん、今村文明さん達が出てきましたが、なかなか4強を抜けない。

なぜ4強の天下が続くのか、菊池さんも村上さんも言う事が同じでした。

若いものとは鍛え方が違う

4強の面々が碁に熱中した十代のころは、戦後間もなくで、棋書はほとんどなかった。だから定石一つとっても、なぜそうなるのか、自分の頭で理解するしかなかった。

ところが現在はたくさんの棋書が出回っていて、至れり尽くせりの解説がされている。

それはいいのだが、ともするとつきつめて考えることなく、定石や布石を単なる知識として頭の中に入れてしまう。自分の頭で理解するか、単なる知識で終わるのか・・・この差が大きいのである。

なかなか考えさせられました。たしかに棋書による恩恵は大きいのですがそういう弊害もあるのですね。棋書紹介をしているブログを書いているような私ですが気を付けたいものです(`・ω・´)ゞ

※しかしアマトップレベルの話なのでほとんどのアマは関係ないかと思われます。

上記の中園さんたちの時代に比べて、今現在はさらに棋書が豊富にあります。時代に恵まれていることも感じました。

囲碁界通になろう

こういった裏話などに詳しい人は、囲碁界通と言ってもいいかもしれません。

意外と上達のヒントもあるかもしれませんので、興味がある人は是非読んでください!

評価A(^ω^)

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「有段者の序盤感覚100題」~優れた序盤感覚の育成に・・・!!

棋書 棋書-序盤感覚

正しい序盤感覚を身につけられる

こんにちは(´・ω・`)

今回紹介するのは日本棋院出版、川本 昇 著

有段者の序盤感覚100題です。

囲碁というゲームは負けた時に、敗因がはっきり分かる時とそうでない時があります。

前者は勝負所での読み間違え・判断ミス・ヨセのミスや、極端に言えば見損じなどです。この場合は反省もしやすく、本人も納得しやすいかもしれません。

しかし後者の場合、気が付いたら打ちにくい・形勢が悪い碁になってたというパターンは、局後もモヤモヤが解消されませんよね(´・_・`)そういう時は大抵序盤で不利になっている事が多いと考えられます。

布石段階の序盤戦は「どこに打っても一局」という言葉があるように、自由度が高いです。しかしそれでも棋理に適った手とそうでない手があります。

序盤の急所をしっかりと見極める力を付けることによって、よりレベルの高い碁を打つことができるようになるでしょう(^^)v

有段者ではなくプロ級?

序盤感覚の力をつける有力な方法の一つが、本書のような布石の問題集を繰り返し解くことです。

本書の題名に「有段者の」とついています。「この本の問題を解けれるようになれば、自分も有段者の仲間入りだ!」と思う人もいるかもしれませんが、有段者どころかプロ級の感覚を手に入れたことになります(笑)

当たり前といえばそうなのですが、正解とされている手はプロの目から見て合格点という手なので、もし本書の正解手レベルの着手を打てるようになれば序盤だけはプロ級と言ってもいいのではないでしょうか(/・ω・)/

まあプロ級は言いすぎでも、高段者レベルは確実でしょうね。

この分野は勉強さえすれば、比較的労力をかけずにある程度上達することができます。

本の内容

本書の構成は、

序章:序盤戦の格言

第1章:足場固め

第2章:攻防の序曲

第3章:いざ開戦

となっております。また本所の特徴として、正解とされている手を「有力」、失敗とされている手を「疑問」と表現しています。

これは序盤には人それぞれの棋風があり、正解と断定するのは一方的に過ぎるかもしれないという判断からです。

本書で有力とされている手以外にも好手はたくさんあるでしょう。数ある有力な手の中の一つであるということを意識して、あまり盲信的にならずに楽しむのが賢いかもしれません。

問題図

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↑序章での問題図です。この局面、白1と中央を消しながら右辺を強化するのが大事です。次に白aが厳しいので黒2と守るくらいですが、それから白3・5と右上に先行してゆっくりした局面に持ち込めます。

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↑すぐに右上に打つのは、黒4辺りが好点になります。右辺白が弱体化し、下辺から中央にかけて黒模様が急に大きくなりました。

この後、黒からはaやbが好点になっていて、見た目以上の大きさです。白苦戦ですね。

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第2章の問題図。白1は疑問でAくらいだったみたいです。なんにせよここの白が強化されたら必然的に右辺の黒が弱体化し、守りの一手が必要になりますがどう打ちますか?

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↑黒1と打つのが有力です。右上の白が強いので、黒△は場合によっては捨ててもいいという態度です。(白も黒△をいますぐ無理に攻めにいってもいい事がなさそうなので、この判断なのでしょう。)

白2、黒3と大場を打ち合う展開です。

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↑黒1のオオゲイマの方が、黒△とより連絡が確かです。しかり白2とすぐに三々に入られても隅の甘さが露呈し、先手で白16に回られて細碁です。黒1は疑問でした。

右下の黒の厚みもあまり働くような碁でもなく、有力図のほうが勝るでしょう。

意外と骨のある問題もある

本書は意外と骨のある問題も多く、級位者では苦労するかもしれません。初段以上の力は欲しいでしょう。

正しい序盤感覚を手に入れれば、序盤戦が楽しくなります(・∀・)序盤が苦手な有・高段者の人は是非読んでみてください。

評価A(^ω^)

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